フィジカルAIラボ:すべての数字を確認できるフィジカルAI講座

2026-10-13 更新。15 回を中国語・英語・日本語で公開。動画、教材、出典を用意しています。詳しい解説と練習はログインが必要です。

「フィジカルAIラボ(Physical AI Lab)」は、フィジカルAI(身体性AI)を基礎から段階的に学ぶトレーニングシリーズです。各回は動画、インタラクティブなページまたは Notebook、小テスト、証拠リストで構成されます。デモ動画、資金調達のニュース、断片的な論文のあいだで抜け落ちている部分、つまり「理解する」から「できる」へ、さらに「判断できる」へと進む道筋を、どの段階でも確認できる形で埋めることを目指しています。この記事では、この講座が誰のためのものか、どう構成されているか、現在どこまでできているかを紹介します。

現在の進捗

以下の回は中国語・英語・日本語で公開済みです。動画と導入は公開、詳しい解説と練習にはログインが必要です。そのほかは制作・審査中で、計画は公開済みを意味しません。

  • フィジカルAIラボ 0.1:フィジカルAIとは何か、会話するAIから手を動かすAIへ · 動画を見る · 教材と練習
  • フィジカルAIラボ 0.2:なぜ今なのか、データ・モデル・計算資源の 3 本の曲線 · 動画を見る · 教材と練習
  • フィジカルAIラボ 0.3:見る・考える・動く――3 つの周波数をそれぞれのシステムに戻す · 動画を見る · 教材と練習
  • フィジカルAIラボ 0.4:仮想の世界で一万回練習――シミュレーションの 3 つの数字に実験条件を戻す · 動画を見る · 教材と練習
  • フィジカルAIラボ 0.5:人型ロボットブーム――テスラ四半期報告の一節をデモ・試作機・量産・現場に仕分ける · 動画を見る · 教材と練習
  • フィジカルAIラボ 0.6:ロボットのニュースをどう見分けるか――それぞれの問いを原文の一文まで戻す · 動画を見る · 教材と練習
  • フィジカルAIラボ 1.1:座標系と運動学――2 リンクのアームがコップに届く計算を手で追う · 動画を見る · 教材と練習
  • フィジカルAIラボ 1.2:PIDと制御周波数――3 つの項を手で計算し、周波数を周期に直す · 動画を見る · 教材と練習
  • フィジカルAIラボ 1.3:センサー――1 つのコップで画素数、深度の測定範囲、握る力を手計算する · 動画を見る · 教材と練習
  • フィジカルAIラボ 1.4:シミュレータの地図――刻み幅のコストを数え、接触で軌道が分かれる点を読み、3 つの高速化の比較対象を確かめる · 動画を見る · 教材と練習
  • フィジカルAIラボ 1.5:データはどこから来る?――SO-101 のメタデータからお手本の長さを求め、三つの入手ルートの単位と動作空間を見分ける · 動画を見る · 教材と練習
  • フィジカルAIラボ 1.6:模倣学習――誤差がお手本のカバー範囲からはみ出すまでを手で計算し、ACT・拡散方策・データのスケーリング則の数字をそれぞれの条件に照らして読む · 動画を見る · 教材と練習
  • フィジカルAIラボ 1.7:強化学習――1 回分の収益を手で計算して報酬の抜け道を見つけ、論文の地形カリキュラムとタイムアウト時のリセットを読む · 動画を見る · 教材と練習
  • フィジカルAIラボ 1.8:評価――「差し引き +2」を対応表に分解し、失敗ラベルと乱数シードを計算で確かめる · 動画を見る · 教材と練習
  • フィジカルAIラボ 2.1:MuJoCo でつかむ場面をつくる――XML に書かれていない質量・単位・ステップ幅・衝突ルールを計算で確かめる · 動画を見る · 教材と練習

対象者:5 つのレベル

講座は対象者に応じて 5 つのレベルに分かれており、後のレベルほど実践と専門的な背景が必要になります。

レベル対象者修了後にできること各回の形式(計画)
L0 理解する一般の人、メディアの編集者、投資家フィジカルAIとは何かを説明でき、ロボット関連のニュースが信頼できるかどうかを判断できる3–5 分のアニメーション短編 + 縦型の切り抜き動画
L1 触ってみる学生、キャリアチェンジを目指す人、プロダクトマネージャー見る・考える・動くの閉ループを理解し、ブラウザ上で自分でパラメータを 1 回調整してみる解説動画 + インストール不要のブラウザ・インタラクティブ
L2 手を動かすエンジニアシミュレーションで方策を 1 つ学習させ、評価する実践動画 + Notebook(Colab またはローカル GPU)
L3 深く学ぶ研究者、アーキテクトVLA、世界モデル、RL による事後学習を分解して理解し、結果を再現することも疑うこともできる詳細解説 + 再現実験
L4 産業意思決定者、業界メディアサプライチェーン、コスト、規制対応のスケジュールを理解し、実用化の見通しを判断できる解説動画 + ワンページのブリーフィング資料

エンジニアは L1 か L2 から始めてもかまいませんが、L0 の 6 回は 1 回数分と短いので、概念の認識をそろえるのに使えますし、技術系でない同僚に紹介するのにも向いています。

学習ロードマップ:卒業プロジェクトを含む全 36 回(計画)

以下は講座の計画です。公開済みの教材は上の一覧から選べます。そのほかは制作・審査中で、学習者の意見に応じて計画を調整します。

L0 理解する(6 回)

  1. 0.1 フィジカルAIとは何か:会話するAIから手を動かすAIへ
  2. 0.2 なぜ今なのか:データ、モデル、計算資源の 3 本の曲線
  3. 0.3 見る・考える・動く:ロボットの 1 秒間
  4. 0.4 仮想世界で 1 万回練習する:シミュレーションとは何か
  5. 0.5 ヒューマノイドブーム:デモ、試作機、量産はどこが違うのか
  6. 0.6 ロボットのニュースが信頼できるかどうかの見分け方

L1 触ってみる(8 回、インストール不要のインタラクティブ)

座標系と運動学、PID と制御周波数、センサー(カメラ、深度、力覚と触覚)、シミュレータの見取り図(MuJoCo、Isaac、Newton、Genesis)、データはどこから来るのか(遠隔操作、人の動画、合成データ)、模倣学習、強化学習、評価(1 つの成功率の裏に何が隠れているか)。

L2 手を動かす(8 回、Notebook での実践)

MuJoCo でゼロから把持シーンを作る。LeRobot と SO-101 のデータで ACT を学習させる。SmolVLA をファインチューニングする。Isaac Lab で歩行を並列学習させる。sim2real におけるドメインランダム化とシステム同定。エッジ展開における量子化、レイテンシ、制御周波数。制御バリア関数(CBF)による安全フィルタ。反復実験と信頼区間を伴う再現可能な評価。

L3 深く学ぶ(6 回)と L4 産業(4 回)

L3 では、VLA の構造の分解、Cosmos を使った世界モデルによるデータ生成、RL による事後学習、長期タスクと複数方策のルーティング、GR00T のファインチューニング、そして論文の読み方と重要な数字の確かめ方を扱います。L4 では、アクチュエータと BOM コスト、安全規格と法規制のスケジュール、どの分野から実用化が進むかを扱い、最後に 1 年の振り返りを行います。

L5 卒業プロジェクト(全 4 回、制作中)

  • 5.1 立ち上げ: タスクと評価手順を決める
  • 5.2 データとベースライン: スクリプト実演と模倣学習
  • 5.3 高得点のモデルは、 なぜ少し触れると崩れる?
  • 5.4 ストレステスト合格、 リリースできる?

各回の構成

1 回分は動画 1 本だけではありません。計画中の成果物パッケージには次のものが含まれます。

  • 本編:16:9、中国語・英語・日本語のナレーションと対応する字幕。別にスマートフォンで見やすい 9:16 の縦型動画を制作します。
  • インタラクティブ:L1 以降は各回に、インストール不要のブラウザページ(TypeScript + three.js)か、実行できる Notebook を 1 つ付けます。同じページを読者が操作するためにも、スクリプトで動かして本編に収録するためにも使うので、映像の中で実演されるのは読者が実際に開けるそのページです。
  • 小テスト:各回 5 問、解説付き。
  • ワンページ資料:要点、証拠レベル付きの主要な数字、参考文献。
  • 証拠リストと原稿:本編に出てくるすべての数字と主張の出典リンク、および図解記事に転用できる原稿。

各回の構成も決まっています。8 秒以内のコールドオープンでの問いかけ、この回で得られるものを 1 文で示す約束、「具体例が先、概念が後」の 2–4 章、3 点の振り返り、次回の問いです。シリーズのマスコット「知行」(UNIT-01。中国語で「知ることと行うこと」を意味する名前です)が、質問と掘り下げの質問を担当します。

「すべての数字を確認できる」をどう実現しているか

これがこの講座と一般的な科学解説動画との最大の違いで、制作規定の中で具体的に定められています。

  • 3 段階の証拠レベル:すべての数字と主張にレベルを付けます。O は公式の一次情報、R は学術文献(論文、プレプリント、学術書)、M はメディアの二次情報です。これは Physical AI レーダーの分類と同じです。
  • ナレーションで出典の性質を示す:R レベルの数字には「論文によれば」、M レベルには「報道によれば」と前置きし、断定的に述べてよいのは O レベルだけです(中国語版のナレーションでは、それぞれ「论文称」「据报道」という決まった言い回しを使います)。
  • 数字には必ず数字カード:画面に数字が出るときは、レベルと出典を書いた数字カードを同時に表示します。証拠にはすべてリンクと日付を付け、arXiv の論文には v1 の投稿日を使います。
  • 古くなる時間表現を使わない:ナレーションでは「今週」「今日」とは言わず、動画の公開後に表現が成り立たなくなるのを避けます。
  • 自動チェック:ビルド後の QA スクリプトが証拠リンクを 1 つずつ開きます。ナレーションは自動文字起こしで台本と照合し、固有名詞、音量、ピーク、無音、字幕の同期も確認します。映像と内容は別途、独立した審査を受けます。
  • コードとしての講座:台本、カット、数字はすべてソースファイルに置き、どの回もソースファイルから再生成できます。数字を 1 つ変えれば、それがどの映像に影響したかをたどれます。

公開前には 10 項目・20 点満点の審査表による評価もあり、合格ラインは 17 点以上かつ 0 点の項目がないことです。L2 以上の回では、技術的な内容を同じ分野の専門家にもレビューしてもらいます。

最新情報の追い方

  • 本サイトの「講座」カテゴリで各回のテキスト版を公開します。概念を説明し、数字とその確認方法を示し、確認問題を付けます。動画が公開されたら、対応する記事にリンクを追加します。
  • 各回のインタラクティブページと Notebook は対応する回と一緒に公開し、その際に記事の中で URL を示します。
  • 講座での証拠の扱い方に先に慣れておきたい場合は、Physical AI レーダーを見てください。毎日 8 つのレーンに沿ってフィジカルAIの進展を整理しており、同じ O/R/M の分類を使っています。

制約と注意点

  • シラバスは草案で、回数、タイトル、順序はいずれも変わる可能性があります。この記事に挙げた計画中の項目は、公開済みであることを意味しません。
  • 「確認できる」とは元の出典を見つけられるという意味で、元の出典が必ず正しいという意味ではありません。R レベルの多くは査読を経ていないプレプリントで、O レベルは企業や機関の自己申告であることが多いため、講座ではどちらの数字も「著者の報告」として扱います。

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